コラム
漢方コラム
2020.05.13
煎じ薬とエキス剤
漢方薬には「煎じ薬」と「医療用漢方エキス製剤(=エキス剤)」があります。
「煎じ薬」は、生薬の種類や量を定めた処方に従って調合したものを煮出して作るものです。それを、コーヒーからインスタントコーヒーを作るようにエキス化し、顆粒や細粒の状態になって製品化したものが「医療用漢方エキス製剤」です。エキス剤は保管や携帯がしやすく、飲むのも簡単ですが、最初から組み合わせや分量は決められており、個人に合わせて調整はできません。
一方、煎じ薬は毎日煎じる手間はかかり、保管や携帯もしづらいですが、その人に合わせてさじ加減ができるのが特長です。エキス剤にない処方を用いたい時やエキス剤では効果が不十分な場合に用いられます。
このように、エキス剤が既製服だとすると、煎じ薬は寸法取りして注文するテーラーメイドの服ということになります。煎じ薬に使う生薬も、ほとんどのものは医療保険が使えます。