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コラム

あいそめクリニック

気になる症状

2020.09.27

「コロナ疲れ」による心と体の不調について

 新型コロナウイルス感染拡大により、私たちの生活が大きく変化しました。まだ症状経過も不明な点が多く治療法も確立していない中、自分も感染してしまうのではないかといった新型コロナウイルスそのものに対する不安に加え、外出自粛や学校の休校、在宅勤務など社会環境の急激な変化に伴う不安、さらには経済面の影響やそれに伴う生活の不安など、さまざまなことがストレスとなり心身に影響を及ぼすことが問題となってきています。
メディアでも「コロナ疲れ」や「コロナうつ」さらには「解除うつ(!)」などといった言葉が最近よく取り上げられていますね。皆さんも、深刻な不調はなくても、なんとなく最近いつもと違う、というような心身の変化は思い当たるのではないでしょうか。

 

 当院にお越し下さる方の中にも、コロナ禍に伴う生活変化で不安やストレスを感じたり、大きな病気はないものの何となく体調がすっきりしないと感じたりしている方が多いようです。具体的には、「なんとなく息苦しい」、「普段より動悸が気になる」、「家で仕事をすると、ついつい寝る間際まで働いてしまって、寝つきが悪くなった」、「普段より胃もたれや下痢をしやすい」、「最近少し血圧が高めで気になる」、「月経周期が最近乱れている」などです。

 これらは、実はコロナの不安に限らず、さまざまなストレスに対する心身の反応としても多くみられる症状です。このような症状の方を漢方的に診察すると、脈が緊張しているなど、自律神経が緊張していることがうかがえます。これは漢方的には、体を構成する要素の一つである「気」の流れの異常ととらえ、気が滞っている「気うつ(気滞)」や逆流している「気逆」などと考えます。なお、気が滞っている時には巡らせる生薬(蘇葉、厚朴、陳皮など香りのよいものが多いです)、逆流して頭の方にのぼっているときには下におろす生薬(桂枝、枳実など)を含む処方を検討します。

 また、発症や経過に心理的または社会的ストレスが影響することで機能的な異常がみられている身体疾患のことを西洋医学的には「心身症」といいます。なお、当院は精神科がないので、うつ病 や統合失調症、その他精神科治療を要する精神症状の治療は扱っておりませんが、「漢方内科」の他に「心身症外来」も設けており、ストレスに関連した身体の症状について漢方内科的なアプローチも加味して心身両面からじっくりと診察しておりますので、よろしければご相談ください。

 最後に、「相談したいけど、コロナが流行っている中、混んでいる電車に乗って病院に行くのは不安…」など、新型コロナウイルス感染症が不安で外出や受診をためらっている方には、当院ではオンライン診療も行っております。オンライン診療は本来、対面診療の補助として行われるべきもので、再診の方が利用されるというのが原則ですが、現在は時限的措置として初診からのオンライン診療も認められております。実際に脈や舌やお腹の診察ができないため、処方できる薬や対象疾患に制限があり、また、状況によっては実際に来院していただくことになる場合もありますが、いくつかの条件を満たせば初診からご利用いただくことも可能です。詳しくは当院ホームページをご覧ください。

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